大根

藁製野菜貯蔵庫  

近年の稲刈りは「コンバイン」を使うために稲藁は入手不足です。         したがって藁がこんなに豊富に使えるという事は自家用に天日干し をした藁を使ったとしか思えません。
この中に貯蔵した大根は冷蔵庫や地下の冷暗所に保存したものとはあきらかに 瑞々しさは違うし甘みがあるから不思議ものです。


 この野菜ほど種類が多く、国民的に愛されている食材は無いと思います。
 長細いもの、丸いもの、太いもの、小さいもの、辛いもの、甘いもの、
 形状から味は生産地によって異なり、
 加工品に至ってはまた数多いものです。
 ここ魚沼の「大根」は概ね「練馬大根」系が多く作られています。
 夏の終わり頃に種を直播きして11月の中旬から下旬に収穫します。
 また、途中で間引いたものを「汁の実」などとして利用します。
 11月中旬には八百屋の店先には5本1組の大根が山積みされますが、
 これは「主に「漬物」用として買われて軒下などに干されます。 
 漬物も数種類あって、「沢庵」、「塩漬け」、「粕漬け」などですが
 漬物は保存食料としての一面、嗜好品としての面もあります。
 保存といえば雪国独特なものとして「稲藁」で作った室に入れて
 野菜等を越冬させる方法があります。
 これを家の近くの庭などに設置しておき、雪の中から都度、掘り出すわけで
 湿度100%近く、温度は10度以下で藁に包まれた大根は冬の間の
 貴重な食材となるわけです。
 近年は諸般の事情でその姿が見られなくなっています。
 (これは「雪にお」と呼ばれており人参、白菜なども保存するします)
 あとは「雪下大根」といって畑の中で積雪を迎えてから掘り起こすもの、
 これも雪に晒すことによる「甘み」が増して珍重されています。

 同じ保存方法としても乾燥させるものがあって、
 「割干し大根」は一本の大根を縦に8分割して寒風に晒します。
 完全にカラカラになる直前のものが年末の店頭に並ぶと。
 町場の年寄りはこれを買って「スルメ」「昆布」「数の子」などと一緒に
 醤油、酒を加えて漬け込んで「魚沼風松前漬け」とします。
 また、春先には「越冬」した大根を輪切りにして湯がいてから
 筵などの上で天日に干したものを「切りカブ」と呼び、
 山竹の子、ゼンマイ、蕗などと一緒に「煮染め」にして食べます。
 そうそう、大根の葉も貴重です。
 カラカラに干したものを「干し菜」として冬の食材に、
 軽く茹でたものを冷凍にして都度、みそ汁の実に、
 細かく切り刻んだものを「塩漬け」にと利用価値は豊富です。
 とにかく「大根」はえらいのです。
   

風通しが良く、陽が当たる場所に干すのが一般的ですが、 場所が無い場合はこのように数本を編み上げて干す方法 もあります。数十本から百本近く干しあげる家もあります。

 


軒下に干しあげた大根

ベランダでの大根干し
葉を付けたまま干す方法と葉を切り取ってから干す方法があるが どちらが正しいとはえいなません。
葉を付けたままだと大根は呼吸を続け、水分が抜け易いが スジっぽくなるし、葉を取ると乾燥の時間はかかります。
いずれにしても葉も干して漬け込むときに 上蓋代わりにして空気と大根を遮断する役目があります。