梨茄子(十全)


   

 夏野菜で重宝されるものとして「茄子」ほど便利なものはない。
 生食、炒め物、煮物、蒸し物、揚げ物、漬物など
 それぞれのカテゴリ内でまた幾つもの調理法が試されているのはご承知のとおり。
 春先には苗を売るホームセンターで一番多い苗のコーナーが「茄子」で 
 その種類もけっこうな数がある。
 そのなかで魚沼独特といえば「梨茄子」という品種で、
 所謂「巾着茄子」よりもひとまわり小さくて別名「十全茄子」ともいう。
 
 茄子漬は「水茄子」と「梨茄子」を一緒に漬けることが多い。
 朝採りした地物を購入してガクのトゲに気をつけながらヘタを落とす、
 ミョウバンや茄子漬の素などを加えた塩水を張った樽などに入れて
 適度な重石で漬けて涼しい場所に置くこと一昼夜
 漬け汁が茄子色に染まり表面の色が鮮やかな「茄子紺」になった頃が食べ頃。
 皮は柔らかくそこそこに塩が利いて、中味はポクポクとした食感。
 決して包丁などで切らずに手で裂いて食べるか、そのままかぶりつく。
 
 野沢菜などと同じように樽から出して空気に触れた時から
 その賞味は減衰してゆくから、食べる直前に樽から出して食卓に並べる。
 なんと贅沢な一品であろうか