近くて遠かった「皇海山」を登ってきた。
長い間栃木県側からのアプローチが一般的であったが
数年前に群馬県側の林道経由で登られることを知り
調べたけれども悪路を1時間ほど走ることになっていて
どうも一人ではゆくのがおっくうになっていたのが現実だった。
先日、須原から帰っていった神奈川のN島氏から電話で誘われた。
沼田で待ち合わせて1台の車に乗り換えた後に「皇海山」に登り、
翌日は体力があれば「武尊山」にも登ろうという計画である。
梅雨の最中での計画であったけれどもこの処天気予報は良いので
とにかく宿だけ予約して土曜日の早朝に沼田集合ということにして
当日を迎えることになった。
前夜は早めに寝たので3時には起きだして早めの朝食を終え
雨が降る中を小出インターから4:30には高速に乗った。
トンネルを抜けると青空が広がっていて、空気には冷気を含んでいたことに
少しばかり喜び約束の「道の駅・白沢」には1時間もかからずに到着した。
やはり寒気が新潟県あたりに居座って典型的な冬型の気圧配置だったのだろうか
新潟県側の雨に比べて関東側の天気の良さには驚く・・・
群馬北部の天候に期待しながら約束の時間には30分もあったので
持参した朝刊を読んでいると少し眠くなってきた。
6時すぎ漸く到着したN島氏の車に乗り換えて林道に向かう。
彼の車と運転ならば多少の悪路も安心して任せられるわけだが
林道を走り出してすぐに、あまり細くて片側が脆い岩盤の悪路に驚いた。
所々についさっき落ちたばかりのような岩がゴロゴロしていて
雨の時や降ったすぐ後には走るのを遠慮したい林道だ。
ましてやすれ違いに必要な退避所はほとんど無いに等しい。

予定通り1時間の緊張したドライブの後に登山口に到着、
すでに10台以上の車が停まっていて
我らとしては遅いスタートになったと思った。
まずはカラ松林の緩い斜面を川沿いに歩いたのちに
すぐにかなりの水量がある川の徒渉が待っていた。
雪溶けなのか雨上がりのせいなのか想像以上に水量が多いなか
石の上を飛ぶようにジャンプして渡り終える。


残雪
さて地図上では川のほとりを歩くような感じであったが
幾度か小さな支流を徒渉した後にはほとんど沢登りのようになった。
水量が少ないから良いものの水が流れている川床を歩いているようなもの、
最後は沢の源頭付近から尾根に出る急な斜面が待っていた。
「鋸山」との分岐は「皇海山」との最低鞍部になっていて
若い時に遡行した丹沢の典型的な沢の源頭部そっくりである。
ここから30分ほどで「皇海山の山頂であるが、
生えている樹木が灌木からシラビソに変わった。
1ケ所だけシャクナゲの淡いピンクの花を見つけたが
あとはシラビソの根っこを跨ぎながら歩く尾根歩きである。
ほとんど眺望は無く、途中に「コバイケソウ」が群生していたが今年は咲かない年、
急な斜面を登り終えるとやがて展望がほとんどない「皇海山」山頂に到着。
「渡良瀬川」の水源地との標柱が立っていた。

遅れているN島氏を待っている間にGASで湯を沸かして早めの昼食を終える、
汗がひくとけっこう冷えてきた、さすがに2千m級である。
披露困憊のN島氏が到着するころに小雨が降ってきたが
雨具を着るほではないものの急激に体温が低くなる。
彼の食事を終るのを待ち、記念写真を撮ってから早々に撤退をする。

コルまでは小雨が気になったが雨が上がって「鋸山」を捕らえた最低鞍部で
シャッターを切り、水分補給をした後は一気に急斜面を下った。
驚いたことにけっこうな登山客とクロスする。
まあ短時間のコースであるが午後は雷雨の恐れがある北関東の山である
゙他人事であるが少しばかり心配する。
立派なトイレ兼登山届所にレジストして無事に登山を終えた。

かなり余裕のある「老神温泉」ステイになって大宴会が長引いたので
翌日の「武尊山」は後日に楽しむことにして24時間「源泉・かけ流し」
を大いに楽しんで目映いばかりの新緑のなか梅雨の間隙をぬった旅を楽しんだ。

GPS歩行履歴