月別アーカイブ: 2015年4月

ちょっと足を延ばして笠倉まで

先日は「大力山」でお昼を食べたから
今度は「クロハゲ」まで足を延ばしてお昼でもと思い
一人旅で出かけた。
足元は長靴のみ、ストックは一応2本持ったが
カンジキやスノーシューの類は一切もたずに
今シーズン初めて飲料としてスポーツドリンクを持参。
何か夏山の気分でスタートから半袖Tシャツ1枚で歩き始めたが
秋葉神社で早くも汗ばんでくる。

前回から数日しか過ぎていないのに雪はどんどん溶けているし
早くから出ていた夏道はカラカラに乾いている。
それでも今頃の雪は完全に締まっていて
薄くなった雪を踏みぬかない限りは快適に歩ける。
休憩舎で先行者が休んでいなかったということは
「クロハゲ」方面に向かったのだろうか・・・
(駐車スペースには2台の車があった)
縦走路の分岐付近に人影が見えたが、クロハゲに向かわず
「城山」へ向かったようだ。

右手に広がる杉の植林地帯を過ぎるとブナの原生林が現われる。
なんとも柔らかそうな鮮やかな色であろうか
カサカサとブナの枯れ葉を踏みしめて歩いていると
「イワウチワ」の大群落が眼前に広がった。
白地に淡いピンクが混じった好きな花のひとつでもある。

イワウチワの何ともいえない色合い


早くも咲き始めたシャクナゲ

イワナシ

ブナ林を過ぎるとなだらかな尾根道が現われて
すっかり雪が消えてしまった小石混じりの細い稜線を
眼下に広がる残雪とブナのコントラストに見とれながら
ゆるゆると歩いてから漸く残雪の上を歩く「クロハゲ」への
最後の急登が始まる。

ブナの新緑がまぶしい


慣れない残雪歩きの為か、立ち止まっている男女のペアを
ここでパスして「クロハゲ」の山頂には2時間弱で着いたので
「笠倉山」まで足を延ばすことにした。
山頂から少し下ると林道に出るのだが夏道への登り口が不鮮明だ。
数年前に同じ時期にY画伯に連れてきてもらってから
以降は一度も訪問していないし、当時は夏道もなかった。
残雪期はどこからでも登れそうだけれどもルートを誤ると
余計なヤブ漕ぎや雪の切れ落ちていて危険な場所が多いから
少しばかり緊張する。

駒ケ岳の雄姿


夏道は見つかったが、やはり雪の上を歩いたほうが
楽そうなので8割は残雪の上を歩いて最後の部分だけは
夏道から三角点に到着した。
やはりここに来ないと「駒ケ岳」の全容が見られない。
360度の展望を楽しみながら小休止、まだ11時まえだから
お昼は「クロハゲ」に戻ってからと思いながら頂上を去る。
残雪のなだらかな斜面を長靴の踵で滑り下りながら
若い頃にずっと一人で歩いていた時を思い出して鼻の奥がツンとした。

「クロハゲ」に到着したがまだ空腹ではないし
水分を補給しただけでのんびりと下降することにする。
登りに見つけておいた「コシアブラ」の芽などを摘みながら
写真を撮ったりしていると3名の登山者とクロス、
はれ上がった日曜日だというのに思った以上に登山者が少ない。
結局、大力山の休憩舎まで戻っての遅い昼食となった。
曲げわっぱの弁当箱で山での昼食を摂る回数が増えている、
サラリーマンだった頃は毎日使った弁当箱だったのに・・・
久しぶりに自分で珈琲を淹れた、焙煎したてで
芳香が鼻をくすぐり何やら豪華な気分になってしまう。
昼寝でもしたい気分であるが下山後の所用もあるので
日々濃さを増してゆく新緑の里山を去ることにする。
GW前の里山は静かで緑が勢いを増してきていた。

ブナが鮮やかになりました

本格的な春めいた天候が始まったので
寸暇を惜しんで「お昼」を食べに
「大力山」へ出かけた。
伐採作業や天候不順、他の山への遠征で
久しく歩いていなかった「大力山」であるが
夏道も現われ、花も咲き始め、何よりも
ブナの柔らかな緑が眼にやさしい。

毎年このブナが最初に芽吹く


11:00頃の出発ということで気温が上昇、
最初から半袖のTシャツ一枚で歩き始めたが
額からは汗がポトポト滴り落ちるほどの暑さ・・・
朝は薪ストーブに火を入れたほどだと云うのに
この落差は何だ

漸く咲き始めた休憩舎直下のマンサク


平日のこの時間である、誰もいない休憩舎で
お弁当を広げ、珍しくビールなども頂く。
遠くにウグイスの幼い鳴き声を聴きながら
爽やかな残雪の山でのひと時を寛ぐ。

重い腰を上げて下り始めたら上の舟窪で
2人連れの男性が日当たりのよい灌木帯で
さかんに「岩団扇」の花をカメラにおさめていた。
やはり誘われる天気だよな・・・
などと思いながら登山口へ急ぐ。
午後はチェーンソー整備が待っているのだ。

イワウチワ

高千代「蔵開き」

昨年は所用があって参加できなかったが
今年はなんとか時間が取れたので
送迎バスが出る「浦佐」駅付近の集合場所へ
N島氏の運転する車で送ってもらって
企画者のS氏、R太郎氏、ヒロシ氏と合流する。

試飲会の酒


小雨が降り始めた中、数か所で参加者をピックアップして
送迎バスはかなり遅れて会場の「高千代酒造」の酒蔵到着、
すぐに「きき酒」会場に案内されたが5種類の酒を事前に
含みながら香りと味を覚えてから目隠ししたボトルの
酒の種類を特定するコンテストはすぐに諦めてパスし
R太郎氏と休憩会場(試飲・飲食)に向かって
2種類の冷酒を飲み始めた。

恒例の高千代蔵開き・つまみ折り


やや遅れてS氏とヒロシ氏が来た頃には
数杯のグラスを空けていた小生はペースダウン、
なにしろ「暴飲・暴食」を医師から禁じられているから
再び「大腸憩室」による下血を起こさない為に
禁欲の日々を送っているわけだ。
何事も控えめに・・・・
用意された「酒のアテ」をつまみながら3合ほどの
日本酒を頂いた頃に帰りのバスの時間が迫っていた。
南魚沼の車窓には膨らんだ桜のツボミが目立ち
数日後に開花すると思われる。
GW前のイベント2つを無事に終えた週末は
なんとか天気がもって終わった。

有朋自遠方来、不亦楽乎

有朋自遠方来、不亦楽乎
(朋あり、遠方より来る。 亦楽しからずや)
魚沼の地に居を移してから20年近くなったが
須原に小屋があるせいか訪問者が多い。
冬はスキーをする若者たちを引き連れ、
雪解けの今の時期は春山と山菜を目的に
N島氏が魚沼の里を訪れる。

さて、今年は数年前からお知り合いになった
「妙齢のご婦人・殉ちゃん」が友人を共にして
残雪の山歩きを目的に訪問する事になった。
約束の時間にN島氏が3人の訪問者を連れて
拙宅の前に到着、
殉ちゃんとハグし1年ぶりの再会を懐かしむが
会話の時間を惜しみながら装備の点検。
スノーシューの配布、足元のチェック、
小生は久しぶりにピッケルとザイルを持参する。

銀山平の駐車スペースはすでに満車状態
出発が9:00ではしょうがない事か・・・
先週の混雑ほどではないが、すでに数組の姿が斜面に見られる。
登山靴に荒縄を滑り止め用として巻いて
初心者3名を挟むように隊列を組んで出発。
「日向倉」はスタートから急斜面が始まるのだが
先行者はほぼ全員がアイゼン使用らしいトレールが続く。
この時間ではツボ足で充分だろうと想定していたが
ドンピシャ、相応に雪が柔らかくなっていた。

急斜面を登る殉ちゃん

30分ほど歩いて振り返ると、全員それなりに歩いている。
1時間超の急斜面を登ってしまえばあとは楽な緩斜面歩行である、
急斜面の終点で次々に到着する各人の写真を取り終えて小休止する。
眼前には荒沢岳の岩峰が連なり
翼を広げた鷲のような岸壁が銀山平を包み込む。
駒ケ岳と中ノ岳はまだまだ真っ白な雪を抱えたまま
どっしりと鎮座している。

時折吹いてくる冷たい風に汗ばんだ体を放熱しながら
休憩に適した場所を求めて山頂に向かって歩いていると
漸く風雪が作り上げた雪の窪みを見つけて昼食の場所とする。
ここを登山最終点として陽光の降り注ぐ中、食卓のサークルが出来た。
ガスコンロが湯を沸かす音、ブナの老木の梢を渡る風の音、
ザックの中から魔法のように現われる食べ物の乱舞と談笑。
女性が居るとまた雰囲気の違う山行であることを再確認した。
N島氏の淹れた美味しい珈琲を飲んだ後に
楽しい昼食の後片付けをして腰を上げる

黄砂の影響でややくすんだ連山を仰ぎながら帰途にむかう。
急斜面では一応持ってきたから使ってみようと
殉ちゃんとザイルを結んでコンテニュアンスで下る。
不思議なものでザイルで確保されている安心感だけで
急斜面の下降もへっぴり腰にならずに安定した歩行になる。
急斜面を終えてからザイルを解いた。
あとは長靴の踵を使ったグリセードで快調に各自下降、
「白銀の湯」で汗を流してから須原の小屋に戻って
恒例の大宴会となった。

久しぶりの途中ダウン

年に一度は訪問したいと思っていた「北岳」に
Y画伯とS氏を誘って出かけた。
前日に病院で下血の診察を終えていて
少しばかり安心していたのだが・・・・

表面が堅い急斜面のアプローチ

遅いスタートなので歩き始めた頃は
朝の冷気は薄れていたものの雪は堅い。
スノーシューの刃がビシビシと小気味よく
ザラメ雪に刺さって快調と思われたのだが、
30分後先行する2人が休憩している直前でダウン。
貧血を起こしているのか体がフラフラし、
ザックをほおり投げて倒れ込むほどで
自分でも体中の力が抜けてゆくのを感じた。

尾根に出るまでの急斜面を振り返る

しばらく休む旨を伝えて2人には先行してもらう事に、
水やジュースなどを飲んで休み再び歩き始めたものの
歩みは遅く、体がだるくて何度も立ち止まる。
普段の倍ほど水分を補給してなんとか急斜面を突破できた、
尾根に出て幾つかのピークを超える頃に
遠くに人影を見つけてから大声で合図する。
待っていてくれた2人になんとか追い付いて、今日の体調では
頂上までは行けないので途中で待つことを伝える。

休憩後に快調なロケットスタートする2人

風もなく気温も寒くも暑くもない絶好のコンディションの
大好きな春の雪山の貴重な一日なのに残念・・・
どんどん遠くなってゆく2人の姿を追いながら
重い足取りで緩やかな尾根をトボトボと歩き続ける。
目の前には「前山」「浅草岳」「北岳」が見えている、
「ここまで」と決めていたブナの木が一本だけ真ん中に
立っている尾根の真ん中に倒れ込むようにザックを下ろした。

まだまだ雪がべったりの守門岳

シートを敷いて断熱マットを取りだして座り込むと
水とフルーツジュースを交互に飲みながら呼吸を整え、
雪面の渡る微風が快く火照った体をクール・ダウンする。
脱いだセーターと汗に濡れた手ぬぐいを木の枝に干してから
GASで湯を沸かし始める頃にようやく体調が元に戻った。

ぼんやりと眼前に広がる「守門岳」の姿に見とれながら
病上がりの体で登った反省、高齢者と云われる年代突入の現実に
そろそろ山登りのスタイルを考えるべきかなと実感。
遠くに木を叩くゲラのリズミカルなドラミングを聴きながら
カップ麺とお握り2ケを食べ終えるとザックを枕に暫く横になった。

2人が山頂を後にする姿を確認した後
足音が聞こえるまでは再び横になったままウトウトする。
2人が昼食を終え恒例の珈琲タイムが始まる頃に空全体に霞がかかってきた。
やはり午後には山の天気は下降してゆくのだろう、
腐り始めた雪であったけれどもツボ足でも大丈夫そうだから
スノーシューをザックに括りつけて下降を開始した。

ブナが芽吹く前に蕾が赤くなる様子

数か所のクラックがギリギリ繋がっている部分をクリアすると
緊張感がゆるみ、標高を下げながらガンガンと下り始め、
ブナと杉林が隣接するあたりまでくるとダムが見えた。
途中で白旗を揚げたもののそれなりに楽しい雪上歩きであった。