月別アーカイブ: 2015年8月

雨の大力山

前夜の宴席で「大力山詣で」を決めたのだが
未明の雨脚の強さに一度は中止した後に
雨が小康状態になったのでS氏のお誘いで
雨具とザックカバーを用意して出発した。
足元は長靴にして転倒予防にストックも持参、
こんな日は誰も居ないだろうと思いながら
このところ続いている雨で青々と色鮮やかな
緑の林の中を歩き始める。

この数回は「ミヤマウズラ」の花を探しながら
歩くことが多かったが、今日もキョロキョロしながら
湿度100%に近いねっとりとした樹林帯を歩いていると
終わりかけたものや今が盛りのものなど多くの個体を発見。
カメラは持参していないのでひたすら歩くことに専念し
汗だくの状態で休憩舎に到着した。

恒例の珈琲を飲み始める頃に傘をさしたR太郎氏が到着、
暫く談笑を交わして早々に下山することにした。
途中でいろんな花の話を聞いたり実物を見たりしたが
前回Y画伯と「ミヤマウズラ」撮影の時に出会った場所あたりで
R太郎氏が「あっ!居た」と叫んで小生のストックにて
藪の中からマムシを引きずり出した。
長靴の先っぽで軽く体を押さえて頭を素手にてつまんで
ぶら下げたところを彼のカメラでパチリ。
「食べますか?」と聞かれたが今回はパスした。
(以前からマムシの素焼を食べてみたいと話していたのだが・・・)
彼の話だとどうもお腹の中に子供でもいるような太り方だという。
撮影後はそのまま藪にリリースした。

彼は平気でマムシを素手で制御する

こんな形で首根っこをつまむのです


数日前の藪に逃げ込むやや白っぽいマムシ


かなり銭型が明確な太ったマムシ

運動不足解消・大力山詣

あの灼熱の暑さが、いつの間にやら雨が続いた日々で無くなり
朝方はタオルケット1枚ではやや肌寒く感じる昨今である。
雨が続くと早朝散歩を省略することがあって
今日は雨でなければ大力山を歩いてこようと思っていた。

先日見落とした「ミヤマウズラ」の花も見ようと
再びカメラ2台持参して歩き始めたら
薄日が射してきてやや蒸し暑くなってきた。
途中で撮影中に年配の方が登って来たので挨拶をして
「クモの巣」払いをまかして花を探しながらゆっくりと歩いた。

R太郎氏の言う通りプラ階段手前の杉林に数株の
見事な「ミヤマウズラ」発見!!
さらに花を付けはじめた「ツルリンドウ」がいろんな場所で
見受けられたのには驚き、雨の威力なのかなと感心する。

台風が迫っている日本列島は週末の天気が不安定な為
遠征登山は中止したので時間はたっぷりある。
又吉氏の「花火」でも読もうか・・・

前回は咲いていなかったけど、ツルと開く前の蕾が朝顔に似ている


確かにリンドウの一種なのだろうが朝鮮朝顔の花にも似ている

上から2番目はワニ、一番下はネコ?


色んな動物に見えるな

アサガオの蕾そっくり

雨上がりの大力山

R太郎氏から「ミヤマウズラ」が咲いたとの話を聞き
雨上がりの土曜日に一週間ぶりの大力山へ出かけた。
先週は早朝だというのにけっこう暑かったが
当日はまだ山全体が濃いガスに覆われていて比較的涼しい。

以前に咲いていた場所を中心に探したのだが
3株しか発見できなかった。
(後日、彼の話ではかなりの広範囲に咲いているという)
このところパナソニックのDMC-LX3のレンズが曇ってしまうので
数年ぶりに55-200の望遠がセットされている1眼デジを持参、
液晶からファインダーを覗くタイプのカメラに戸惑いながら
それでも20枚ほどいろんな写真を撮ってみた。

もう10年以上前のモデルだし、けっこう重い。
ミラーレスでも買おうかなと思案しながら休憩舎で
カットしたスイカを食べながらお盆真っ只中の魚沼の里を眺めていた。
下山中の後を追うようにオニヤンマが途中まで同行し、
何やら追い駆けっこしているように前後していたが
疲れたのか目の前の木の枝に枝に止まった。
前日の雨で綺麗に流された登山道の枯葉が
所々に溜まった窪みが登山道荒廃の原因にならねば良いと
思いながら朝の散歩を終えた

まだあまり開いていない株

水滴1


水滴2


雪椿の実


オニヤンマ


雨粒が滴るナツハゼの実

鹿島槍から五竜へ(5)番外

久しぶりの単独行であった縦走について
気が付いたことなどを書き留めました。

ザックの中身(約15Kの重さになった)

<<食料等>>
お昼は行動食のみとしたので重さを考えて
小さなレーズンパンを6ケのみとしたが
トマト3ケとネクタリン3ケという果物は贅沢かな・・・
非常食はカロリーメイト3パック、カップ麺1個、
五目御飯1袋(アルファ米)
(何時も非常食には手がつかない)
30分以上の食事時間をとることの時間的な面や
小屋で弁当を用意してもらうことの費用的な事もあって
パンによる行動食という形をとったことは良かったと思う。

<<お酒の類>>
ワイン400cc、ウイスキー200cc
柿ピー1袋、ビーフ・ジャーキー1袋
小屋で飲む缶ビール(500cc¥800)だけでは
一日の労働を労うには足りないので用意した、
山並みを見ながら飲むワイン、水割りも良いものです。

<<スポーツドリンク等>>
ポカリ2L、VAAMパウダー6袋(これは水に溶かすタイプ)
アミノバイタル3600スティク顆粒2袋(直接飲むタイプ)
真水は1L、麦茶500cc
結局真水は一度も口にせず、アミノ酸を効果的に摂取した。
おかげで喉の渇きや疲労感はほとんどなかったので
サプリメント的な要素を取り入れた事も大きかったのだろうか。

<<その他>>
携帯ラジオ、ヘッドランプ、GASカートリッジ(5割ほど使用済)
コンロ・アタッチメント、ケトル、コンデジ
雨具上下、ザックカバー、スパッツ、グローブ2組
ストック2本、ヘルメット、シュリンゲ3本、テーピングテープ
GPSレコーダー(2日目の途中でバッテリー切れ)

グローブの一組は30年ほど前に使っていた
革製の指の先端がむき出しの岩登り用を復活させたが
鎖場や鉄梯子などの金属との接触では有効に働いた。

<<衣類等>>
手ぬぐい2枚、タオル2枚、長袖シャツ1枚、半袖シャツ1枚
ショートパンツ1枚、筋力補強タイツ1枚、アウター1枚
ショーツ2枚、羽毛ジャケット1枚

岩場を歩く日以外ではタイツ+ショートパンツが涼しくて有効で
上は半袖Tシャツが快適さをサポートしてくれた。

<<もろもろ>>
数年来使っている縦走用登山靴はどうも足に合っていないらしく
一日の歩行の後半には必ず小指と親指の外側に靴づれの現象が
現れるので今回は出発前にテーピングテープを指に巻いてカバー
したのだが効果は70%ほどか、巻き方に問題があったのだろうか・・・
ソックスを変えたりしたのだが上手くゆかず、
やはり新しい靴を購入すべきなのか・・・・

小屋で入手できる飲み物はお金さえ出せばコーラでもスポ飲料でも
飲料水でも可能だが下界から用意してくる苦労を考えると上手に
利用すれば荷物の軽減につながるのかもしれない。
しかしビール以外の飲料はお金を出して買うのはねえ・・・

今回はストックは最終日の下降以外には使わなかったが
日頃使っていないせいか不便さも感じなかったし
今後も荷物の減量を考えたら不要かもしれない
特に今回のように岩場歩きがメインの場合は考慮すべきだろう。

ヘルメットは岩登り、沢登り以来の使用だったけれど
昔のメットはけっこう重かったのでとっくに処分してしまい
新たに購入したものは多様なスポーツに使えるタイプ、
軽くてベンチレーター用の穴がいっぱい空いているものなので
装着していても暑くはなく、落石だけでなく岩場を歩行していて
2,3回飛び出していた岩角にメットがぶっつかった位だから
それなりに役にたったのだと思う。
最近はヤブ漕ぎや根曲り竹採りに使っている人を見かける

事前調査でネットで検索をしていたら
「扇沢」から「白馬コルチナ」間を一日4本の
連絡バスが出ていて木崎湖、五竜、八方尾根、栂池高原に
停車する実に効率的なものが見つかった。
実際にドライバーとの会話のなかで「小谷村」「白馬村」
「大町市」の3つの行政が共同で運営しているもので
あることが解った。
「北アルプス山麓アルペンライナー」という名称で検索すれば
出てくるけれども3年前から夏場だけ運行しているものの
認知度が低いものであることから利用者が少ないらしい。<p>

鹿島槍南峰から爺が岳方面を望む

五竜山荘から早朝の信州側雪田を望む

朝焼けの五竜岳

遠見尾根から五竜岳

左から鹿島槍南峰・北峰、G5、G4、五竜岳

初日の扇沢から冷池山荘までのGPSロガー

2日、冷池山荘から五竜山荘までのGPSロガーだが
残念なことに山頂直下でバッテーリー切れ、残念

鹿島槍から五竜へ(4)五竜山荘から遠見尾根経由・下山へ

昨日の「冷池山荘」に比べたら部屋は昔ながらの
暗くて狭い「うなぎの寝床風」だったが一応1人1枚の布団が
割り当てられるまあまあの待遇かと思うが(空いていたから)
ただしザックが部屋の前に置かれて歩けないほどの状況で
これでは最近の小屋としてはマイナスかな・・・

チェックインを終えて野外のテーブルでビールを飲みながら
遅れている単独行の男性を待つこと1時間、
ビールからWスキーの水割りに切り替えたころに彼は現れ、
とにかく無事に到着して良かったのでハイタッチ。
しかし学生のパーティーは未だ到着しない、
まあテント泊だから暗くなる前に到着すればあとは自由だから
その点は小屋泊よりも選択肢が多いような気がする。

さて食前酒をたっぷり頂いた小生は暮れなずむテーブルを
離れて指定された部屋に一度帰って食事を待つ。
夕食は有名な「カレー」のみで、お代わり自由だが
小生は1.5杯を完食して大満足。(実に辛い、旨いものです)。
ここも部屋での飲食は禁止で食後は皆さんおとなしく
すでに寝息をたてている人もいる。
本日も浅い眠りを繰り返して朝を迎えることに・・・

朝焼けの五竜岳

4時には早立ちをする人が多くて朝焼けを見に外にでると
テント撤収の準備や朝食を作っている天幕利用の人達がいた。
帰りに食堂前を通るとやはり並んでいるので昨日同様並ぶと
なんと4時40分に20分も前に食堂がオープンになって
またまた一番のテーブルに着いてたっぷりの朝食を頂く。
起きてすぐに出発準備をしておいたから5時半には小屋を出た。
昨日のメンバーには一応一声掛けたけれどもバスの時間を
気にしていたので早々に出発。
半袖のシャツの上にアウターを羽織って歩き始めたが
「白岳」の上でアウターを脱いでしまうほどの気温だ、
いかに松本市付近が高温になっているのかの証拠であろう。

何とも豪華な朝食

白岳からみた五竜山荘と五竜岳

足跡から見ると2人の登山者が先行しているのがわかり
遠くにひとりの後姿を認めたが追いつくことはない。
朝露に濡れたクマザサに足元から膝あたりまで濡らしながら
それでも花たちを愛でたり、振り返って朝日に輝く山並みを
カメラに納めたりと長い尾根道を歩くのに気を紛らわせて
快調に標高を下げて歩き続けた。

雪解けが終わったばかりの斜面に咲く花たち1


雪解けが終わったばかりの斜面に咲く花たち2

縦走路を真下から・・・

遠くには鹿島槍が見えた

途中のピークはすべて「ⅩⅩ遠見山」と名が付いていて
いずれのピークからも「五竜岳」と「唐松岳」へと連なる
八方尾根が見えるのでそんな名前を付けたのかなと思いながら
「見返り坂」を超えると「五竜ゴンドラ駅」が見え始めた。
8時前に歩いてくる人が居て少々驚いたが
ハイシーズンはゴンドラが早く運転開始されることを失念していた。
もう少し早く気が付いていたら1日4本しかない扇沢までの
直通バスの最初の便に間に合ったかもしれないと少し反省・・・

10時24分発のバス時間までは2時間ほどあったので
まずはゴンドラ乗り場前のテーブルで珈琲を沸かして
のんびりとするが、駅舎に併設している温泉は10時からだし
かなり時間を持て余して次々到着する「五竜山荘」からの
登山者と挨拶を交わして情報交換をしていた。
バスは結局、客は小生ひとりだけで扇沢までドライバーと
世間話をしながら観光客で賑やかな「扇沢駅」に着いた。
これで夕食時間に間に合う時間に魚沼に着けると安心し、
持っていたペットボトルに旨い水をたっぷり補給して
安曇野の山麓から魚沼の里に向かって車を走らせた。

鹿島槍から五竜へ(3)冷池山荘から五竜山荘まで

消灯後はやはり2時間おきに目が覚めて熟睡できず
結局、3時からは目が冴えてそのまま朝を迎える。
早立ちの連中は4時頃からガサガサやりだして、
外が明るくなる頃はすでに小屋は早朝の出発と
食事を待つ人で活気が出始めた。
たまたま通りかかった食堂前で並び始めた人がいたので
なにげなく並んでいたら、
先頭から5人目ほどで早めに朝食にありつけたので
5時半にはスタートの準備が整った。

鹿島槍方面


縦走路には多くの登山客が歩き始めていたが
その多くは「鹿島槍」をピストンする軽装の人で
キレット越えをする人はヘルメットを
ザックに付けていることで識別できた。
朝の冷気は最初は寒かったが歩き始めるとむしろ快くて
下界の高温が続くニュースを聴いていた身としては
贅沢な環境だなと思いながらまずは「布引岳」まで
1時間ほどアイドリングの感じで快適に歩いた。

お花畑にはチングルマ満開


布引岳から鹿島槍南峰・北峰

「布引岳」から見る「鹿島槍」の「南峰・北峰」とも
かなり近い感じで迫ってきているがまずは「南峰」に登る。
そこから見える「北峰」は手が届くほどで
一度50mほど下って再び「キレット」への分岐を経て
「北峰」ピークまでのピストンとなる。
ザックをデポし空身でカメラと水だけ持って山頂へ、
確かに山頂から見下ろすと「キレット小屋」が
狭い岩稜の最低鞍部にしがみついている感じで見えた。

朝日が信州川からあたり黒部側に自らの影を映す


これから歩く五竜岳方面、キレット小屋が小さく見える

扇沢の登山口で「登山届」を提出するときに地元山岳会の人に
云われたキレット通過の「鹿島槍側」からの留意点(事故が多い)が
この「北峰」からの下降にあるとのことで、ほとんどの人がここで
ヘルメットを着用するのだという。
小生もザックにカメラを入れ、ザックのあらゆるベルトを締め直し、
靴紐のチェック、最後にヘルメットをしっかりと着用して
長い下降の一歩を踏み出した。
たまたま同行したのは出発時から前後していた
女性を含む3人連れのグリープと
テン泊装備のやはり3人連れ学生グループ、
総勢7人が1列になってまずは「キレット小屋」に向かって
足元が崩れそうな岩場を歩き始めた。

途中から先頭を学生グループにさせたのは彼らの歩行技術が危うく
何度も落石を起こしたので先頭を歩かせてリスクを回避する為である。
やはり途中でミッテルの若者は足を滑らせて転倒、大事はなかったものの
ザックのポケットに入れたペットボトルは急斜面に消えた。
彼は後ろから観察していると岩をグリップする手が
震えていたりするのを見てとれたので
荷物の重さと体力にかなり問題があるなと思ったわけだ。
それでもなんとか最大の難関である小屋の手前の「垂直鉄ハシゴ」、
「鎖場」、「ハシゴ鉄橋」をクリアして「キレット小屋」に到着。
まあ、小生の感想としては「不帰キレット」のほうが高度感があって
怖かったような気がして、今回の「八峰キレット」はあっけなかった。

キレット小屋

「キレット小屋」では「北峰」出てから初めての休憩をとることにして
ネクタリン、トマトを貪るようにかぶりついた。
やがて前夜同じ部屋に泊まった、扇沢から「冷池山荘」までの歩行で
足がつったり、疲労困憊で縦走続行を悩んでいた単独行の男性が遅れて到着し、
様子を聞くととりあえず頑張るということなので
同行することにした。
大休止をしている学生グループを残して「五竜小屋」まで
3人連れグループ、単独行2名は出発した。
「同行」といってもペースは各自のものを守って、
時折お互いの姿を確認、休憩時に声を交わすくらいのものだが
事故等があった場合のリスクを考えてのことである。

登山道で堂々と「砂浴び」しているライチョウと出会う


岩の隙間に咲くイワキキョウ

「キレット小屋」から一気に急な岩稜を登り終えると
目の前には「北尾根」のG5、G4が迫ってくる。
「口ノ沢のコル」が最後の鞍部で、ここから3時間の
急な岩稜をひたすらに登るだけの難所でもある。
しかし岩場は下降よりも登行のほうが安全なわけで
ホールドとスタンスが安定していれば、あとは体力のみ。
しかし、時折出現する細かい岩片が蓄積した急斜面では
踏み出した足元からズルズル滑り出して緊張する。
最大のピークであるG5を超えるとやや小さなG4が目の前に、
うーんまだ「五竜岳」の山頂は見えない。

こんな鉄ハシゴを降り


G5が目の前に

あっけなくG4を超える頃に湧き上がってきたガスから
雨粒が落ちて来た、午前中はもつかなと思っていた雨がもう来たのかと
イヤな予感がして、まずはザックカバーを付けて再び歩きはじめると
今度は雨が大粒になって雷の音がする。
最悪のシーンである、避難場所のない岩稜帯でハイマツすら無いし
完全に無防備の状態で先を急ぐことにした。
やや斜度が水平になった場所でさらに雨具の上だけ着て
雷の位置を確認してみると北の方向から雷鳴がする。
天気予報では「白馬方面」(八方尾根、白馬岳)は午後から雨
だったのでやはりその方角(北方向)から音がして黒い雲も確認できた。
雷鳴は時折頭上を越えて西側に流れてゆき、雨足は弱いまま
最後の「五竜岳」の登りに入るコルで様子を見ていたら
先行していた3人のパーティーが振り返って手を振りながら
雷鳴のするなか、がんがん登ってゆく姿を見ていると
やがて雨が小降りになって雷鳴も遠ざかった、
さてとアドレナリン全開で最後の登りにとりかかる。
予想では30分ほどのアルバイトを覚悟していたので
太陽が隠れていて涼しいこともあって順調に歩行を続け、
先行していた3人パーティが休憩しているところをそのままパスして
「五竜山荘」に至る分岐にザックを放り出して山頂を踏んだ。

ついに最後の五竜岳山頂に


こんな急な岩壁にも咲く


雨上がりのチングルマ


ようやく見えた五竜山荘


まだ濃いガスが漂っている山頂部からの視界はほとんど無く
早々に分岐に戻って水分補給をしていると3人パーティーが登ってきた。
しばらく後発の単独行の男性を待っていたが、
また降り出す恐れのある雨や雷も怖かったので「五竜山荘」まで
急いで降りることにした。
最初はそれなりの岩場が連続して緊張したが、
以降は緩い稜線が続いてガスの切れ目から小屋の姿が見え始めた。
あんのじょう、ここからが長く感じるわけで
重い荷物でうっ血した肩の筋肉をいたわりながら
後ろ手でザックを持ち上げたり、ザックをゆすったりして
なんとか9時間弱の縦走を終えた。

鹿島槍から五竜へ(2)爺が岳を越え冷池山荘まで

山旅での熟睡は無理なことで、しかも車中泊は久しぶりなので
尚のこと細切れの睡眠で朝を迎えた。
車中で軽い朝食をとってから最終の荷造りを行う。
食料と水はいつも最後まで悩んでしまうのが恒例で
これがザックの重さを左右する。
パンと果物、スポーツドリンク、麦茶、真水、
これで概ね4kgはあり、ガスコンロとケトル、衣類等を加えて
基本的な装備を入れると15kを少々超えた。

適宜に石が埋め込まれた登山道


4時には幾人かの人たちが駐車場を出てゆくのを見ていたら
予定していた6時半出発を1時間前倒しでスタートすることにする。
ザックは重いけど足は少しばかり軽く感じるのは
このところ続けている週一回の里山トレーニングと早朝散歩の成果か。
斜面に付けられたつづれ折りの道を順調に歩いていると
すでに下山してくる人達とクロスする。
「種池山荘」にでも泊まったのだろうか、
晴れやかな笑顔で挨拶をしてくるのはきっと良い山旅を終えた
充実感が表情に表れてくるのだろう。
最終日には自分も同じような笑顔が出せればよいのだが・・・

扇沢駅の姿が見える

針ノ木の雪渓と針ノ木岳

標高を上げてゆくと足元には「扇沢駅舎」が見え、
遥か彼方には針ノ木雪渓と「針ノ木岳」が見え始めてきた。
登山道は石畳がうまい具合に敷き詰められており歩きやすい。
鳥海山や立山のように全体が石だけの硬い道に比べたら嬉しく、
柏原新道を作った先人達と補修を行っている人達に感謝したい。
1ケ所だけ雪渓が残っていた沢もあと数日で完全に融けるような
感じで硬い雪が割れて雪解け水がボタボタ落ちていた。
やがて「種池山荘」の屋根が見え始めると長い登りも終わりに
近くなったと感じる。
ハクサンフウロが朝露に濡れた花弁をキラキラと輝いている姿が
山荘到着のウェルカム・フラワーだった。

尾根に出る直前に見えた小屋の屋根


ハクサン・フーローのお出迎え


種池山荘の入口

「種池山荘」まではコースタイムの8割ほどで到着か、
途中で消費した水分の量も予想以下だったのは
柏原新道のほとんどが樹林帯のなかであったことや
あまり太陽に照らされない時間帯に歩いたことが幸いしたのだろう。
まだ、目の前には大きな「爺が岳」が待っているので
休憩はほどほどにして出発する。
「爺が岳」は南峰、中央峰、北峰と三つのピークが連続するが
全部越えてゆくのに1時間ほどかかるのだが視界は良く
快適な尾根歩きが楽しい。
振り返れば「種池山荘」の姿が足元に去ってゆき、
視線の先には今日の宿泊場所である「冷池山荘」が見えてくる。
いつもの事だが小屋の姿が見えてからが長く感じる。
不思議なもので見えてしまうと疲労感が増してくるのだ。
予定の時間よりも2時間ほど早く着いてしまうが
まあ、早めにビールでも飲んで立山や劔の姿を愛でることにしよう。
11時すぎにチェックインを終えて部屋に行ったらまだ誰も居ない、
食料と飲み物を持って風通しの良い談話室で山の姿を見ながら
ビールとワインでのんびりと昼食を食べる。

立山をバックに種池山荘


稜線の彼方には「冷池山荘」の姿が・・・

爺が岳の南峰から中央峰、北峰を望む


最盛期を過ぎたコマクサ

8人入る部屋に6人しか泊まらないから余裕のスペース、
単独行の人だけ集めた感じでそれぞれの明日の予定などを
話しながら夕食の時間を待った。
消灯は20時半、突然に部屋の灯りが消え、昔の山小屋のように
酒盛りも禁止されているから静かな夜が始まった。

鹿島槍から五竜へ(1)アプローチ

ついに念願の「八峰キレット」を歩く縦走に出かけてきた。
「日本3大キレット」と云われているうちの一つである
穂高連峰にある「大キレット」は若い時に2回歩いたのだが
その高度感や緊張感はすでにだいぶ記憶が薄れており、
2つ目の唐松から白馬の間にある「不帰キレット」は十数年前だから
重い荷物を背負っての岩場歩きのつらさは体が覚えている。
さて、そろそろ過酷な山旅も条件を緩和しないといけない年齢になったので
今年が最後のチャンスと思い「八峰キレット」へと
単独行での計画を練ったわけであった。

平日の天候が安定している時をねらった2泊3日の山旅、
今年は安定した天気の日々が続いているので午後の雷さえ考慮すれば
何時でも良かったのだが、自治会の仕事の間隙を縫い、
お盆休みの混雑を避けてこのタイミングということで8月3日移動で
4日から6日までの行動日とし、灼熱の魚沼を午後一番に出発して
ひたすらに一般道を走って長野県大町市の扇沢には夕方にたどり着いた。
心配した市営の無料駐車場は8割ほどの満車率で入口に近い場所に
空きスペースを見つけて駐車、さっそく歩いて「扇沢駅」まで偵察、
2Lのペットボトルに破砕帯から汲み出しているという美味い水を
満タンににしてトイレ状況をチェックする。
後部座席を倒して寝場所を確保するとあとは飲むだけ・・・・
登山前日ということもあって500缶1本で我慢して
お決まりの夕立が木々の葉を叩く音を聞きながら横になった。
未明、あまりの涼しさに目が覚めて車窓を見ると月が煌々と輝いている
ザックから出した羽毛を羽織って再び横になるが
夜明けまでは次々に到着する車の音で眠れなかった。

扇沢市営無料駐車場にて車とメットをぶら下げたザック